11

グレイヴディッガー (講談社文庫)

グレイヴディッガー (講談社文庫)

悪事を重ねてきた男・八神が骨髄ドナーとなって他人の命を救おうと決意し、骨髄移植を目前にしたところから物語は始まります。主軸は八神の逃亡劇なんですが、そこに絡んでくる猟奇殺人。八神を追う人々の正体、そして本当の犯人は終盤まで分からず、明らかになった時にはなるほど、そうか!と思いました。思ったんだけど、13階段を読んだ時みたいな興奮はなかったかな。八神の逃亡も臨場感はあふれていたんだけど、頭の中で景色を想像しづらくもあった。一つだけ、警察ショップでなんで手錠を買ったのかな?と思った謎の答えはおぉ!となるもので、そこは良かった。今思うと、よく出来た話なんだけどな。出来過ぎていたのかな。難しいな。
最後に、黒幕だった人がほんの脇役だったように感じる登場人物に殺されるんだけど、その流れが「SP」みたいでした。てか、作中に「SP」の文字が出てきた時点で、井上と尾形が頭の中に出てきたのは言うまでもない。黒幕を殺したのもあのビートルズ集団に頭の中ですり替わったんでした。ほんと「SP」だぞこれ。