ビタミンF (新潮文庫)

ビタミンF (新潮文庫)

押し入れの中に眠っていた本シリーズ。いつ買ったのかはもう覚えてないけど、読んでないのは確か。で、読み始めたんだけど、「セッちゃん」読んでる時に、あれ?この話知ってるぞ?と思った。ドラマになってるみたいだから、たぶんそれを観たのかもしれない。この30〜40代男のあれこれ、て話はマドンナを読んだところなので、また同じようなもの読んでしまった感が最初はあったんですが、これがなかなかどの話もおもしろかった。特に一番好きだったのは「かさぶたまぶた」。家の中でも会社でも、心の中につっかい棒を立てて暮らしている主人公政彦。そんなつっかい棒が、ある出来事によってポキンと折れてしまったあとの、父親がしたどうでもいいと思えるような話。その後に絵がやっとかけた娘。そして、これからもやっぱり、彼はつっかい棒をはずさに生きていく。その流れがすごく良くて、思わずうぅぅと泣いてしましました。重松さんの本はこれが初めて読んだんだけど、もっと男くさいというか、おじさんが読みそうな感じの本なのかなと勝手に思ってたので、そうでなかった事に新鮮だった。他の本も読んでみたい。