女ともだち (講談社文庫)

女ともだち (講談社文庫)

だいたい、この本を手にした時から予想はしてたんだけど、予想以上のこの読後感。なんというか、見たくないもの見ちゃった時のどんより、ぐったりした感じ、とでもいうのだろうか。確かに読んでる途中から、気持ち悪いなぁとは思ってたんだけど、結末どうなるの?て興味だけは最後までしっかり持てたので、読み切る事ができた。最後の最後に、一捻りあったしね。その一捻りもまたこれが・・・これでもか、これでもか、てくらい畳みかけてくるのな。「女ともだち」というタイトルと話の内容がいまいちリンクしてないような気がするのは、その下にあるものがどうしようもなくドロドロしているからだろうか。しかも、不幸な人達ばかり出てくるので、もうどこにも出口がない。泥沼に自分もドロドロとはまっていくような感覚でした。「裁判所の柵」と「ロープの綱渡り」のエピソードが印象に残ったかな。すぐそこにそういうものはぱっくりと口開けている、というのは、ありえない話のなかでも、あってもおかしくない事のように少し思えた。
あとがきで、続きを読むならこの本です〜みたいな事書いてたけど、たぶんしばらくこの人の本は読まないと思う。おもしろくない訳ではないんだけどね。また気が向いたらってことで・・・。間あけないと、続けては無理だ(笑)